ドキュメンタリーの作家であり監督であるデュフレーヌは、「Allo Place Beauvau」でAssises Internationales du Journalisme(国際ジャーナリズム会議)の審査員最優秀賞を受賞。2019年10月、初の小説『Dernière Sommation[最後通告]』(グラッセ出版)を出版し、批評家たちから高く評価された。
テレビドキュメンタリー『Le Pigalle: une histoire populaire de Paris[ピガール、パリの大衆の歴史]』(2017年)は、各メディアから絶賛され、その他の作品に『Hors-Jeu[オフサイド]』『Dada-Data[ダダ・データ]』『Fort McMoney[フォール・マクモニー]』などがある。『Prison Valley[プリズン・ヴァレー]』(フィリップ・ブローとの共作)で2011年世界報道写真賞のインタラクティブ部門賞を受賞。2007年に発表した初のドキュメンタリー『Quand la France s'embrase[フランスが燃える時]』では、2005年の暴動とCPE(初回雇用契約)反対運動を扱った。
著作には『On ne vit qu'une heure, une virée avec Jacques Brel[私たちは1時間しか生きられない ジャック・ブレルとの旅]』 (スイユ出版、2018年) 、ルモンド紙が「小さな傑作」と賞賛した『Tarnac, magasin general[タルナック、雑貨店]』(カルマン・レヴィ出版、ジャーナリズム会議賞受賞、 2012年)などがある。2001年には『Pirates et Flics du Net[ネットの海賊と警察]』(スイユ出版)を共同執筆している。リベラシオン紙の記者を長く務め、調査サイト『メディアパール』の創設チームの一員でもある。フランスのインターネットのパイオニアであり、「ウェブ・インデペンダント宣言」(1997)の著者の1人でもある。2018年9月より、Scam(マルチメディア著作権関連団体)の視聴覚目録委員会委員を務める。
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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北海道 | シアターキノ | 011-231-9355 | 上映終了 |
青森県 | シネマディクト | 017-722-2068 | 上映終了 |
宮城県 | フォーラム仙台 | 022-728-7866 | 上映終了 |
栃木県 | 宇都宮ヒカリ座 | 028-633-4445 | 上映終了 |
東京都 | 東京都写真美術館 | 03-3280-0099 | 3月28日(火)~4月9日(日) |
東京都 | ユーロスペース | 03-3461-0211 | 上映終了 |
東京都 | シモキタエキマエ シネマK2 | 上映終了 | |
神奈川県 | 横浜シネマ・ジャック&ベティ | 045-243-9800 | 上映終了 |
神奈川県 | あつぎのえいがかんkiki | 046-240-0600 | 上映終了 |
埼玉県 | 川越スカラ座 | 046-240-0600 | 上映終了 |
長野県 | 上田映劇 | 0268-22-0269 | 上映終了 |
愛知県 | 名古屋シネマテーク | 052-733-3959 | 上映終了 |
京都府 | 京都シネマ | 075-353-4723 | 上映終了 |
大阪府 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 上映終了 |
兵庫県 | 元町映画館 | 078-366-2636 | 3月18日(土)~3月24日(金) |
広島県 | 横川シネマ | 082-231-1001 | 上映終了 |
福岡県 | KBCシネマ | 092-751-4268 | 3月28日(火)1日限定上映 |
佐賀県 | シアター・シエマ | 0952-27-5116 | 上映終了 |
大分県 | シネマ5 | 097-536-4512 | 上映終了 |
沖縄県 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 上映終了 |
COMMENT
鳥肌が何度も立った。隠されてきた「公権力による暴力」は、SNSによって暴露されるようになった。それでも暴力を正当化し、国葬で美化しようとするこの国こそ、「暴力のモノポリー(英題)」ではないか?映画による哲学対話に参加し、語り合おう。そして問おう。暴力を振るうお前は何者だ?と。
坂上 香 ドキュメンタリー映画監督
暴力の映像は、わたしたちに怒りや憎悪といった感情を焚きつけ、没入させる。対話の可能性は閉ざされ、新たな暴力を生むという罠を仕掛けてくる。しかし、『暴力をめぐる対話』は、「ある方法」によってこの罠を逃れ、分裂する対話の中に私を立たせ、当事者として思考させるのだ。 私の、この目を潰されることの「正当性」とは何か?
諏訪敦彦 映画監督
暴力の決定的瞬間を収めたスマホ映像と、それらを観察する様々な属性を持つ人々のコメントや対話。映画の舞台装置としては潔いほどにシンプル。だが白日の下に晒される事実には、圧倒的な引力と説得力が宿っている。本作の中で公法の名誉教授が「民主主義とは意見の相違である」と語ったが、この民主主義の精神に殉じた志の高い作品だろう。
林 瑞絵 映画ジャーナリスト
デモ隊と、それを取り締まる警察が互いに“国のため”だと、暴力を正当化しながら、睨み合う。権力の中で虚しくぶつかりあう正解のない正義。私達もきっとそんな世界の中に生きている。
フィフィ タレント
『暴力をめぐる対話(英題The Monopoly of Violence)』は、自由な民主主義国家に生きるどの人にとっても、必見の作品です。 この映画を観ながら、"これこそアメリカや日本で我々がすべき議論だ "と思いました。 映画のなかの対話、そして映画そのものが、警察や政府の不当な暴力に異議を唱える方法なのです。こうした対話や映画がなければ、政府は平然と残虐行為を続け、権威主義にどんどん近づいていくでしょう。 ですから、皆様には是非ともこの映画を観ていただき、政府による暴力を知り、この暴力を終らせるために必要な対話をしてほしいと思います。
ミキ・デザキ 映画監督・YouTuber
一般の人びとが携帯で撮影した動画を通して、警察の背後にある国家の暴力の正当性は揺らぎ始めているのではないか、と本作品は問いを投げかけるのだ。 この問いへの答えは、各視聴者の判断に委ねられている。だが答え以上に重要なのが、疑問をもち、問いを投げかけ、議論をすることだ。一見、正当にみえる国家の暴力に対して「これはおかしいのではないか?」と疑問をもつことからしか、暴力を断ち切ることは始まらないからだ。
森 千香子 社会学者
黄色いベスト運動は、よくフランス革命になぞらえられた。革命は平民の増税への怒りによって起こった。そっくりというわけだ。政権は、過激グループを口実にして黄色いベストのデモをつぶそうとしたのだという意見もあるが、どうなのだろう。現実は大変複雑である。革命は、国の誇りや英雄談で彩られるが、実際は暴力に満ちた陰惨なものなのだろう。この映画の映像の何万倍も。そして、今欧州で起こっているウクライナ戦争はどうだろうか。人々の反乱、国家権力の圧力、暴力には様々なレベルの違いがあるのであり、そんな現実世界で「民主主義」を支えるものと、その価値とは何だろう— そんなことを考えさせられる映画だった。
今井 佐緒里 ジャーナリスト